リゾートフルーツの代表、パイナップルの記念日
夏になると、リゾートに出かけても、都会にいても、トロピカルな気分に浸りたくなりますね。
トロピカルフルーツの代表は近年注目押しになっているマンゴーよりも、パイナップルのほうがずっと日本人には身近でした。
保存や輸送技術がまだ十分でない頃は、パイナップルというと、缶詰が一般的でしたが、いまや生のパイナップルが、スーパーなどで普通に手に入ります。
カットされたパイナップルは、よく目にしますが、丸のままのパイナップルについて、あまり良く知らないことも多いかもしれません。8月になんと記念日が二つあるらしいパイナップル。
そこで、今回はパイナップルについて少しお勉強してみましょう。
8月1日は「パイン」の日、8月17日は「パイナップル」の日
8月のパイナップルの記念日は二つあります。
ひとつは、沖縄県と農林省が8月1日を「8(ぱ)1(い)ん」の語呂合わせで「パインの日」と制定しました。8月1日から31日までの期間を「パイン消費拡大月間」としているそうです。
沖縄では一般的によく食べられるパイナップルですが、まだまだ本土の人の消費量は多くありません。国産の果物の消費をもっと拡大したい、農家の願いが感じられます。
また、一方で、ハワイに本拠地を置く、アメリカ産の輸入パイナップルメーカー、ドールが、8月17日を「パイナップルの日」として、日本人の生フルーツとしてのパイナップルの消費促進のPRを盛んにおこなっています。読み方が「8(ぱ)1(い)7(な)っぷる」ですね。
実は台湾産や、アメリカ産など輸入物のパイナップルは収穫地が「常夏」ですので、特に決まった旬の季節というものがないそうですが、国産パイナップルの栽培量や収穫量は、やはり年間約6000トンと沖縄県が断トツで、石垣島で4月下旬~7月下旬、沖縄本島で5月中旬~8月初旬頃が収穫の最盛期だそうです。
国産パイナップルにはやはり、旬があるのです。
パイナップルの記念日としては、国産勢が推す「1日」が本家なのか、今でも圧倒的な流通量と輸入量を誇る外国勢の「17日」が元祖なのか、定かではありませんが、やはり8月の盛夏が似合う食べ物のようです。
パイナップル記念日は、どちらもあまり認知度が高くないのが残念。せっかく記念日があるのですから、一般の普及を目指して、スーパーや、八百屋といった小売や、生産者の方が力を合わせて記念日をPRし、さらなる消費拡大に繋がってほしいですね。
パイナップルの種類と食べ方
パイナップルにもいくつかの種類があるのを知っていましたか?リンゴやみかんのように、当然ながら品種改良され、いろいろな食味を持つパイナップルが出回っています。
代表的なものは、まず甘味の強い「ゴールデンパイン」。デルモンテが開発した品種だそうです。甘くて香りが強く、頭の葉が上の方に伸びているのが特徴です。果肉の色も黄色みの濃いく、繊維質、ビタミンCも多く含まれているそうです。
台湾産完熟パイン「台農17号」こちらも輸入パイナップルとしては、なじみのあるものです。少し小ぶりです。フィリピン産のものも、輸入されており「黄金パイン」(ゴールドパイン)と呼ばれるものが主流だそうです。
ドールが開発した品種としては「スウィーティオ」と呼ばれるものがあります。その名の通り、甘みを強めたものだそうです。生のパイナップルは酸味が苦手という人もいるかと思いますが、この品種はその酸味を抑えて甘さを出した糖度の高い品種のようです。
沖縄などで作られているものは「ピーチパイン」と呼ばれる品種で、正式名称は「ソフトタッチ」と言うそうです。「桃のような甘さと果肉」をイメージしたのでしょうか?
最近のはやりは、「スナックパイン」、正式にはボゴールパインと言う品種で、手でちぎって食べられるのが特徴。パイナップルの少し筋張った繊維がなく、やわらかな触感が、パイナップル食わず嫌いを減らしてくれる救世主になるかもしれません。
パイナップルの食べ方ですが、まず、食べるまでの保存は、葉の部分を下にしておいておきます。こうすることで甘さの偏りがなくなります。ついつい、葉っぱを上にしておきたくなりますが、それは甘味がどんどん下にたまって、葉っぱ側は、甘みが薄く酸っぱくなってしまうということです。
パイナップルは基本的に、マンゴーのように追熟しないフルーツです。日持ちする果物ではありません。新聞紙に巻き、チルドで5日程が限界だそうです。冷蔵庫に横に入れると、今度は下の部分に甘さがたまってしまうそうですので、野菜室で葉を下にして冷やすのが良いですね。
食べたパイナップルを育てて増やせる?
さて、パイナップルの栽培ですが、どうやって増やすのでしょう?
見たところ、タネがなさそうなのですが・・・・そうです、パイナップルは種ではなくて、株分けか差し芽という方法で、増やします。
なんと、市販のパイナップルを食べた後、残った葉の部分を使ってさし芽ができるのです。南国育ちのパイナップルですから、一番難しいのは温度管理。そのため、露地植えでなく、鉢植えでの管理がお勧めです。
パイナップルの葉っぱと頭を植木鉢に差して、他の観葉植物(幸福の樹など)と同様の芽だしをしてみてください。
親株である、一度花を付けて実のなった株からは実はできませんが、親株の横ワキから、子株ができてきます。その子株がある程度の大きさに生長したら(葉が5~6枚になったら)親株から外して、大き目の植木鉢に、ぐらぐらしないようにしっかりと挿します。
根っこには「メネデール」などの成長促進剤を少し塗って、植えてやるといいようです。差し芽と子株の植え付けの適期は、温度の充分に上がった5~8月。気が長い話ですが、実が付くのは植え付けて3年目くらいだそうです。
日当たりの良い場所を好み、冬は10℃くらいが理想的、最低でも5℃は必要らしいので、冬場は室内に取り込み、朝晩の寒暖差があまりない場所で、毛布などに鉢をくるんでやって、育てて見てはどうでしょうか。
湿気たりしすぎないよう、また、カイガラムシなどに気を付けながら、基本は、アロエやシャコバサボテンなどの南国の植物と同様のようですので、栽培に一度トライしてみるのも楽しいかもしれません。
パイナップル記念日にちなんで、生のパイナップルをもっと食べよう!
生のパイナップルがこれから手に入れやすくなる季節です。
スイーツや、生のまま食べても、またかき氷に入れたり、一緒に調理するとお肉を柔らかくすることも良く知られていますよね。
パイナップルにはやはり、夏が似合います。パイナップル記念日にちなんで、ぜひ新しい品種や、新しい食べ方などにもチャレンジしてみてください。